4 再会の日、うわの空の心 【4-5】

【4-5】
「あらためて、緑川司です」

「すみません、黄原真帆です」


『ミラージュ』では、陽菜をのぞいたメンバー5人が集まり、

簡単な自己紹介をすることから始めようと、司が声をかけた。

真帆のハンカチを司が拾ったことから集まった縁ということで、まず、司が先頭を切る。

自分たち3人が、新郎からすると後輩にあたること、

そして『アモーラ』という医療関係の薬品を扱う会社にいることを話す。


「『アモーラ』って、整形外科で、よく使われるようなもの……ですよね」

「あぁ、そうです。よくご存知ですね」


司の自己紹介に反応したのは、有紗だった。

有紗は、以前、モデルがCM撮影に来たとき、目を整形した話をしていて、

そこで『アモーラ』の名前を聞いたことがあったのでと、付け加える。


「CM撮影ですか」

「はい。担当している部長が、広報の仕事をする方なので。ポスター撮影とか、
CM撮影の現場にも、よく顔を出しています」


有紗は、そういうと、大皿で運ばれた料理を取り分けようと、立ち上がる。

その動きに合わせて、真帆もお皿を動かし始めた。


「ほら、いいよ、二人とも」


その後ろから声をかけたのは、青葉瞬だった。

有紗の手からトングを取ると、素早く6つに分け始める。


「すみません」

「いやいや。せっかくこの店を選んでいただいたので。特別ですよ」


瞬の気遣いに真帆も手を休め、そこからまた自己紹介が続く。


「黄原真帆です。私が黒木さんにハンカチを拾ってもらったと勘違いして、
今回、こんな会を開けることになりました」


真帆は、あらためて祥太郎に対し、お店を飛び出してしまってすみませんと謝罪する。

祥太郎は気にしなくていいですよと返す。


「『華楽』さんの近くにある『滑川自動車整備』さんと、
うちの『原田運送』が仕事をしているので、もしかしたらお会いできるかなと、
そう立ち寄らせてもらって……」


真帆は、今日は楽しく飲みましょうと言い、バトンタッチだと隣に座る有紗の肩を叩く。


「すみません、先に発言をしてしまいました。『リファーレ』の秘書課にいます。
山吹有紗です。営業のように、外へ出て行く仕事ではないので、他業種の方とか、
お話を聞く機会もないですから、今日は楽しみにしていました」


有紗は、そういうと、軽く首を曲げ挨拶をする。

有紗の前に座った祥太郎は、その姿勢の良さを褒めていく。


「エ……そうですか?」

「はい。すぐにそう思いました……。それで秘書課と聞いて納得して……。
あ、すみません、黒木祥太郎。そうです。
僕が先輩の結婚式を風邪で欠席してしまったので、
黄原さんに司と勘違いさせてしまって」


祥太郎の言葉に、真帆はすぐ、悪いのは自分ですからと、言葉を挟む。

その自己紹介を聞きながら、大輔は足下に置いたカメラの位置を気にしていた。


「あの……」

「はい」

「お荷物、よかったらカウンターの奥でお預かりしましょうか」


料理を分けた瞬にそう言われたが、大輔は大丈夫ですと軽く断りを入れる。


「商売道具なので、そばに置いておきたくて」

「……そうですか」

「はい」


大輔は、せっかく言っていただいたのにすみませんと、瞬に謝罪する。


「そう、この大輔の仕事は、フリーカメラマンなのです」


司は、隣に座る大輔の肩を軽く叩き、次はお前だと合図する。

他のメンバーの視線が大輔に向かう。


「あ……えっと、すみません白井大輔です。仕事帰りに来たもので、
ちょっと大きなバッグが邪魔ですけど」

「白井さん、カメラマンなんですか」


有紗は、対角線上になっている大輔の方をのぞくように見る。


「はい」

「どういったものを撮るのですか?」


真帆もあまり出会わない職業の人だと思い、質問を続ける。


「特にこれと決めているわけではないですけど、まぁ、ここのところは人が多いですね。
インタビューのカメラを引き受けることもあります」

「あら、それならうちのポスターのようなものも、ありますか?」


有紗は、スタジオで撮影した時、カメラマンが確かにいたと、そう言った。


「あ……あれはまた別ですね。俺はスタジオでは撮らないので。
実は、今日、幼稚園の遠足に行ってきました」

「幼稚園の遠足……ですか? あら」


大輔の言葉に、真帆と有紗が顔を合わせる。


「実は……」


真帆が、後れている陽菜の話をしようとした時、『ミラージュ』の扉が開く。

入ってきたのは、トラブルを解決しやってきた、陽菜だった。

立って自己紹介をした大輔から、視線が全て陽菜に向かう。

大輔が首を動かすと、当然だけれど、陽菜と視線がぶつかった。


「あ……」

「あれ?」


互いに何かが起きていることには気付いたが、どうしてなのかまで頭が回らない。


「はるな先生……」

「はるな先生?」


メンバー5名の驚きの顔を前に、陽菜はあらためて遅れてすみませんと頭を下げた。



【4-6】

それぞれの恋の色を塗っていくと、そこに見える『Color』は……
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